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その糸に従えば、あらゆるところへ辿り着くことができます。言語の布と真実の場、建築の基礎と迷宮の構造、女の「ダーク」サイドとクモへの変身、そしてタントラとすべての可能な相互浸透へと。こんなにも日常的で、身近で、ありふれたものでありつつ、神秘的である、それが織物です。

この展示で、黒田恭章は彼の「Naturally Died Silk Threads」を見せます。ここでは有機的で自然的なものが自立しながら自己定義をした、文化的、象徴的、言語的なものへの変化それ自体を現します。糸は0と1になるために死に、織物の次元で自然的なものはバイナリになります。原始的な分裂(ものから0-1のコードへ)は織機の上で起こります。しかしそれと同時に、織物の中では、対立するものとしての0-1が共存しています。

つまりこれは総合のプラクティスです。私たちは(昼の間に)あのリンゴを噛み、時を同じく(夜の間に)それを逆噛みします。

再び我々はFrantic Galleryにマシーンを持ち込みます。それは書記体系が現れる前にメッセージを記録していた計算機です。機織りには、私たちが自分の人生を書き込むその物語の構造が現されています。この織物に現れるパターンを分析することによって、私たちの現実がどうやって構築されたかを理解することができます。私たちのマトリックスはここに織り込まれていて、そしてそれは欠如がないというわけではなく、もしかすると破れ目が作られる方法を見つけられるかもしれません。

グリッドにようこそ…その機能を見てみましょう。

Rodion TR
Frantic Gallery Director
 

Naturally Died Silk Threads
黒田章個展

2019年11月13日(水)~ 11月17日(日)10:00 – 20:00
東京都港区南青山3-13Commune 2nd Midori-so ギャラリースペース 

 
ギャラリートーク: 黒田恭章 & Rodion TR; 11月15日(金)、17:00 – 19:00
レセプション:11月15日(金)19:00-21:00
第一講義 「どうやって織物を使ってすべてと繋がることが出来るのか」Rodion TR; 11月16日(土) 13:00 – 15:00
第二講義 「どのようにしてテキスタイルは『黒田恭章』を織っているのか」黒田恭章 11月17日(日) 13:00 – 15:00
 
Facebook Event Page| More about the artists: Yasuaki Kuroda
Yasuaki Kuroda, Playground 1, naturally dyed silk threads, 53x45.5cm, 2018
黒田恭章は自身の制作のテーマに文章と織物の語源的関係を表す「text = to weave」という定式を提示しています。織られた布は5000年もの間 -文字が現れる以前- 口頭でのメッセージの伝達手段であり、社会的秩序と物語の構造を示す文化的領域でした。有機的な世界とのリンクがこれほどまでに直接的であることをとっても、テキスタイルは(壺のような手作りの対象と同様に)率直すぎるアーティファクトです。テキスタイルにおいて、繊維を扱うことが起こした自然から文化へのシフトは革命的でした。自然の糸は経糸と緯糸へのトランジションの際その生を失い、自然ではなくなりますが、それは異なる次元に命を受けるためです。詩、建築や創造自体の現象の基礎になっている領域で言語的な単位として新しく命を受けます。このようにして我々は黒田恭章の「Naturally Died Silk Threads」をプレゼンします。作家はシルクの糸を草木を使って染め(dye)、それによって -糸は死にます(die)- 彼は自然から自立した象徴的な秩序を構成するシニフィアンに糸を変化させます。

織物はこのようにして、作家に自身のメッセージを返すことを可能にする装置として機能しています。それは -書道またはレコード盤と同様の- 書き込みであり、ある意味では戻ってきた手紙として受け取ることができます。彼はパソコンのプロトタイプになっているこの計算機を使って、スタジオにある織機と一万を超えるシルクの糸で、織り合わされた糸の面で「世界」を作ります。出来上がるイメージは彼の空想や無意識の特異さを伝えるための何かではなく、構築された具体的な作品と向かい合った方法の証なのです。黒田の織物はその制作過程においてどのように彼自身と作品をつなぎ合わせていたかを提示します。この作家と作品の間にある結び目それ自体が作品展示なのです。織物は制作の主体とその制作に関わった主体の時間を組み込むことができ、我々は今回それ自体を展示します。
Yasuaki Kuroda, About blue, naturally dyed silk threads, 80.3x80.3cm, 2018
Events
第一講義
「どうやって織物を使ってすべてと繋がることが出来るのか」
Rodion TR
11月16日(土) 13:00 – 15:00
 テキスタイルを作ることは我々の祖先の人生において重要な部分を担っていました。それはなぜか?なぜ古代ギリシャのパンテオンにおいて、たくさんの神は織工と関係していたのか?なぜタントラは「織物」から由来して、糸を織り交ぜたテキスタイルの基礎にある機能と関係している相互浸透を示すのか?布は文字以前の世代においてメッセージを運ぶための主な方法であり、文章と物語をテキスタイルの観察なしに分析することはできません。機織りは建築の基礎であり、詩や結婚、政治と関係を持っています。我々の身体の知覚はファブリックとリンクを持っていて、織物は性交を表象します。テキスタイルは迷宮の構造の基礎になっています。なぜ?機織りは対立項を共存させる原始的なオペレーションであり、テキスタイルは分けられたものを分けられたまま、統合しているものだからです。テキスタイルは秩序の基礎であり、象徴体系自体のベースであり、記号自体を配置付けるネットワークです。

 しかし、それはすべてではありません。対立するすべての中に、異なる次元の、語れない「すべて」があります。機織りは言語自体に与える機能によってそのすべてと繋がっています。しかし、そこには過剰があり、ネットワークには残基が作られ、そしてこの瞬間にこのクラフトにおいて主要な役割を担う女性が登場します。女性と同じように、織物には象徴界に結ばれていない様相があります。それは象徴界自体で作られているものであるにしても、グリッドの中には「目立つ断片」があり、それこそが我々を象徴界にとって不可能な部分としての「すべて」と、経糸と緯糸の二項対立の彼岸に存在しているものとしての「すべて」とを結んでいます。
第二講義
「どのようにしてテキスタイルは『黒田恭章』を織っているのか」
黒田恭章
11月17日(日) 13:00 – 15:00
「私たちの世界は言葉で溢れていて、言葉は私たちにとっての対象を可能にする。言葉が表す意味や概念は、対象にアウトラインを与え、私たちは地−図の構図のうちにその存在を認識する。そもそもの興味は、糸と言葉の関連性にあった。text(文章)の語源がラテン語のtexere(織ること)であるように、織物は言葉や文章が発達するより前、意思の疎通や事象の記録を担う一つの言語体系だった。
私の制作は、草木で染めた数百色の絹糸を、その場で一本一本選択しながら経糸として配し、一本一本選択しながら緯糸として織っていくものだ。一度の制作に要する色糸の選択は数千から数万回におよぶ。言葉の選択や用い方にその人のひととなりが現れるように、そして一日の選択の繰り返しが今日の私やあなたを形作り、今までの選択の集積によって今の私たちがあるように、数千の色糸の選択が織物に現すのは私である。織物には私が行った全ての選択が記録されている。しかし私が織り終えたそれと対峙する時、そこに現れるはずの私は、形容し難く、捉えようのない何かであった。つまり織物には私であることと、私自身とのいいようのない距たりが存在していた。
私はこの制作において、色糸の選択者であり、糸を織る行為者であり、織物の制作者である。ここでの私という存在は、一見、織物に対する主体的な、全ての権限を持つ者のように見えるが、実は糸を選択をするのは私だけではない。糸もまた、私の選択を選択するのである。私は糸を掴み取るが、糸も私を掴みとる。私は糸を対象とする主体であり、糸も私を対象とする主体である。」黒田恭章
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