[丸わかり]FXロット計算を徹底解説【4選】|目的・計算ツールの紹介から資金管理まで

皆さんはFX取引をするにあたって、ロット計算をしていますか?

「具体的に、何をどう計算すればいいのかわからない!」
「なぜロット計算する必要があるのかわからない!」
「計算が面倒くさくて、やっていない!」…という方もいるでしょう。

ロット計算を一切せずにトレードを繰り返していると、思わぬ損失の落とし穴にはまってしまうかもしれません。
そんなの嫌ですよね。

この記事では、ロットにまつわる計算式を具体的に4つ紹介、練習問題つきで徹底解説していきます。
計算に役立つ便利ツールの紹介・ロット計算の目的・資産管理に繋げる活用方法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧下さい。

初心者を卒業し、ワンランク上のトレーディングに挑戦するチャンスです!

目次

FXのロット計算式と練習問題|タイミング別に4つ紹介

では早速、ロットに関わる計算式を例題付きで4つ紹介します。特に、③④の計算式は資産管理を行う上で欠かせない重要な式ですので、ぜひ覚えて下さいね!

※ この記事では取引手数料を除いて計算を行っています。ご注意ください。

【計算式 早見表】

計算式計算式の内容計算式を使うタイミング
【1ロットの値】=為替レート×通貨数1ロットは何円分の取引か算出FX業者・通貨ペアを選ぶ時
【1ロットあたりの必要証拠金】=為替レート×通貨数÷レバレッジ
【取引可能な最大ロット数】=口座資金÷1ロットあたりの必要証拠金
必要証拠金に対して取引可能な最大ロット数の算出レバレッジを効かせて取引を行う時
【損益額】=通貨数÷10万×取引ロット数×PIPS幅(値幅)×通貨ごとに変動する数値1回の取引で1ロットあたりいくらの損益が出るか算出エントリーする時
【ロット数】=損益額 ×10万÷1ロットあたりの通貨数 ÷ PIPS幅(値幅)÷ 通貨ごとに変動する数値損益計算から逆算した、適正なロット数の算出エントリーする時
用語説明

ロット(Lot)……FX取引を行う際の取引単位のこと。FX業者によって1ロットあたりの通貨数は異なる場合があります。[例:1,000通貨・1万通貨など]

計算式① 1ロットは何円分の取引か?

1ロットが何円分の取引になるかを確認する計算式です。どのくらいの金額が動くのかイメージすることで、FX業者を選ぶ時や、取引する通貨ペアを選ぶ時の目安になるでしょう。

計算式

★ 1ロットの値 = 為替レート × 通貨数

為替レートには「売り」と「買い」がありますので、取引内容に合わせて代入しましょう。1ロットあたりの通貨数はFX業者・通貨ペアによって設定が異なりますので、取引するFX業者に確認して下さいね。

【外資通貨ペアの場合】
日本円での価値を知りたければ、計算結果から更に、決済通貨を日本円に換算しましょう。

用語解説

為替レート:通貨同士の交換比率のことです。[例:1ドル=110円の場合、100ドル購入するためには11,000円必要になります]

通貨数:FX取引における1ロットあたりの通貨設定のことです。業者によって異なります。[例:1,000通貨・1万通貨など]

では、実際に例題を見ながら計算の練習をしてみましょう!

1ロットの値を知る:練習問題①

計算の条件
  • 米ドルと日本円で、「売り」ポジションで取引
  • 為替レート:1ドル=買値108.43円/売値108.40円
  • 1ロットの通貨数:1万通貨

上記の条件で、何円分の取引か計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

1ロットの値を知る:練習問題②

計算の条件
  • 米ドルと日本円で、「買い」ポジションで取引
  • 為替レート:1ドル=買値110.96円/売値110.94円
  • 1ロットの通貨数:10万通貨

上記の条件で、何円分の取引か計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

1ロットの値を知る:練習問題③

計算の条件
  • 米ドルとユーロで、「買い」ポジションで取引
  • 為替レート:1ユーロ=買値1.2231米ドル/売値1.2225米ドル
  • 為替レート:1ドル=110円
  • 1ロットの通貨数:10万通貨

上記の条件で、何円分の取引か計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

以上、「1ロットあたり何円分か?」の練習問題でした。

いかがでしょうか。「百万~1千万を超える取引」と聞くと、恐ろしい気がしますか?ワクワクしますか?
1ロットでどれくらいの通貨数になるかはFX業者・通貨ペアによって違いますので、国内か海外かも合わせて検討してみて下さい。

▼今から業者を選ぶ方は、下記の記事も参考にして下さいね!

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計算式② 必要証拠金に対して取引可能な最大ロット数の算出 【レバレッジの計算】

資金(必要証拠金)に対して、レバレッジを効かせた際にどれだけの取引ができるかを算出する計算式です。自分がどのくらいのロット数を運用できるのかを予想してみましょう。

計算式

[計算式A] ★ 1ロットあたりの必要証拠金 = 為替レート × 通貨数 ÷ レバレッジ

[計算式B] ★ 取引可能な最大ロット数 = 口座資金 ÷ 1ロットあたりの必要証拠金

計算の手順としては、まずは [計算式A] で「1ロットあたりの必要証拠金」を計算し、出た答えを次の [計算式B] に当てはめて「取引可能な最大ロット数」を算出していきます。

1ロットあたりの通貨数と、使用可能なレバレッジがどれくらいかは、FX業者によって異なります。わからなければ取引するFX業者に問い合わせて下さいね。

用語説明

レバレッジ:おおまかにいえば、自己資金よりも大口の取引が可能になるシステムです。(例:資金が10万円でレバレッジが25倍の場合、最大で250万円分の取引ができるようになるイメージです)

▼レバレッジの詳細については過去の記事をご参考下さい

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注意点

資金に対する最大ロット数で取引をした場合、即時ロスカットされてしまう可能性があります。注意するようにしましょう!

ロスカットとは

「証拠金を超える金額にまで損失が膨らんで、負債になってしまう」のを避けるために取られる措置です。ロスカットされると強制的に決済され取引終了になります。

理解のポイント

最大レバレッジが大きくても、どこまでのロット数を運用できるかは結局のところ資金次第です。

たとえば、最大400倍のレバレッジが可能なFX業者なら、資金の400倍に収まる取引までしかできません。運用できるロット数分の必要証拠金も、もちろん、資金内に収まっている必要があります。

「使うレバレッジの分だけ必要証拠金を計算」「資金の中に、1ロット分の必要証拠金が何ロット分あるか割って出す」と覚えておきましょう。

図:必要証拠金とロット数のイメージ

では、実際に例題を見ながら計算の練習をしてみましょう!

最大ロット数を知る:練習問題①

計算の条件
  • 米ドルと日本円で、「買い」ポジションで取引
  • 為替レート:1ドル=買値112.03円/売値111.98円
  • 1ロットの通貨数:1万通貨
  • レバレッジ:25倍
  • 口座資金:300万円

上記の条件で、取引可能な最大ロット数を計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

最大ロット数を知る:練習問題②

計算の条件
  • 米ドルと日本円で、「売り」ポジションで取引
  • 為替レート:1ドル=買値109.033円/売値109.018円
  • 1ロットの通貨数:1万通貨
  • レバレッジ:10倍
  • 口座資金:420万円

上記の条件で、取引可能な最大ロット数を計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

最大ロット数を知る:練習問題③

少しややこしいですが、EUR/USDで取引、口座資金が日本円のパターンです。途中で必要証拠金を米ドルから日本円に換算しましょう。

計算の条件
  • 米ドルとユーロで、「買い」ポジションで取引
  • 為替レート:1ユーロ=買値1.22216米ドル/売値1.22200米ドル
  • 為替レート:1米ドル=109円
  • 1ロットの通貨数:10万通貨
  • レバレッジ:200倍
  • 口座資金:500万円

上記の条件で、取引可能な最大ロット数を計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

計算式③ 1回の取引で1ロットあたりいくらの損益が出るか 【損益計算】

1トレードにつき、1ロットあたりの損益額を出す計算式です。

計算式

★ 損益額 = 1ロットあたりの通貨数 ÷ 10万※ × 取引ロット数 × PIPS幅(値幅)× 通貨ごとに変動する数値

※ いったん通貨数を10万で割る手順は、「1ロット=10万通貨」向けの計算式を汎用的にするために行っています。そのまま丸覚えしてしまいましょう!

用語説明

損益額(損益評価額):保有しているポジションを決済した場合に出る「利益/損失」の額のこと。

取引ロット数:ロット単位での注文数のことです。

PIPS幅(値幅):為替レートの変動の大きさのこと。PIPS幅は、「買い」の場合は指値との差額、「売り」の場合は逆指値との差額から算出します。[例:USD/JPYのレートが110.000円から109.950円に下降した場合、「マイナス5.0pips」のPIPS幅と表現できます]

【通貨のPIPSへの変換方法】
チャート右に記載されているレートの小数点を「最下位の一つ上」にずらす

「通貨ごとに変動する数値」の出し方

【取引通貨が外資ペア(クロス円以外)の場合】

  1. 自分の口座表示が「円」であることを確認
  2. トレードする通貨ペアの「決済通貨」を主軸通貨とする「JYPとのレート」を確認(例:取引ペアがEUR/USD、決済通貨がUSDであれば、「USD/JYPのレート」が必要です)
  3. 通貨ごとに変動する数値=「JYPとのレート」×10 です

【取引通貨が日本円とのペア(クロス円)の場合】

  1. 自分の口座表示が「円」であることを確認
  2. 通貨ごとに変動する数値=「100」×10 です

損益計算については、過去に記事を書かせて頂いていますので、この記事では詳しい解説・練習問題を割愛させていただきます。

▼ こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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計算式④ 損益計算から逆算したロット数の算出

あらかじめ損失許容額を決めてから計算を行い、資金管理する上で適正なロット数を出す計算式です。エントリーに適したロット数を導き出すのです。
こうした計算は、別名「ポジションサイジング」「ポジションサイズの計算」とも呼ばれています。

計算式

★ ロット数 = 損益額 ×10万÷1ロットあたりの通貨数※ ÷ PIPS幅(値幅)÷ 通貨ごとに変動する数値

ひとつ上の計算式③で損益計算をしましたが、その公式を並べ替えたものがこちらの計算式です。セットで覚えておくのがおすすめですよ。

※ いったん10万を通貨数で割る手順は、「1ロット=10万通貨」向けの計算式を汎用的にするために行っています。そのまま丸覚えしてしまいましょう!

▼ PIPS幅については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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「通貨ごとに変動する数値」の出し方

「通貨ごとに変動する数値」を算出する手順は、損益計算の時と同じです。損益計算を飛ばしてきた方のために、もう一度出し方をお伝えしますね。(もういいよ…という方は、次の「理解のポイント」に進んで下さい)

【取引通貨が外資ペア(クロス円以外)の場合】

  1. 自分の口座表示が「円」であることを確認
  2. トレードする通貨ペアの「決済通貨」を主軸通貨とする「JYPとのレート」を確認(例:取引ペアがEUR/USD、決済通貨がUSDであれば、「USD/JYPのレート」が必要です)
  3. 通貨ごとに変動する数値=「JYPとのレート」×10 です

【取引通貨が日本円とのペア(クロス円)の場合】

  1. 自分の口座表示が「円」であることを確認
  2. 通貨ごとに変動する数値=「100」×10 です

理解のポイント

「ロット数と損益は比例する」「損益額に対して、どのくらいのPIPS幅が収まるか」の2つを覚えておくと、理解しやすいのではないでしょうか。PIPS幅の影響を小さくしようとすると、必然的にロット数が減る、というイメージです。

▼ 1pipsの変動は0.01円(1銭)の損益です。これだけだと些細な額ですが、何通貨分を何ロット掛けているかで損益は大きく変わってきます。

ロット数日本円1pipsあたりの損益額
0.1ロット(1万通貨)100円
1ロット(10万通貨)1,000円
10ロット(100万通貨)10,000円
[表]【1ロット=10万通貨の場合】ロット数あたりの1pipsの損益
[グラフ] 通貨数ごとの1pipsあたりの損益額

アレコレと理屈で考えるよりも、実際に計算した方が公式を丸ごと覚えやすいかもしれませんね。
では、例題を見ながら計算の練習をしてみましょう!

適正なロット数を知る:練習問題①

計算の条件
  • 米ドルと日本円で、「売り」ポジションで取引
  • 為替レート:1ドル=買値110.92円/売値110.71円
  • 逆指値注文:111.62円に到達したら買い戻す予定
  • 1ロットの通貨数:1万通貨
  • 損失許容額:5,000円

上記の条件で、適正なロット数を計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

適正なロット数を知る:練習問題②

計算の条件
  • 米ドルと日本円で、「買い」ポジションで取引
  • 為替レート:1ドル=買値108.32円/売値107.71円
  • 指値注文:105.00円に下落したら損切で売る予定
  • 1ロットの通貨数:10万通貨
  • 損失許容額:30,000円

上記の条件で、適正なロット数を計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

適正なロット数を知る:練習問題③

クロス円以外の通貨ペアです。損益額が日本円なので、計算には米ドルと日本円の為替レートも必要になります。

計算の条件
  • ユーロと米ドルで、「買い」ポジションで取引
  • 為替レート:1ユーロ=買値1.2079米ドル/売値1.2033米ドル
  • 為替レート:1米ドル=売値111.5円
  • 指値注文:1.2015米ドルに下落したら損切で売る予定
  • 1ロットの通貨数:10万通貨
  • 損失許容額:15,000円

上記の条件で、適正なロット数を計算してみましょう。

■ 答えと計算式はこちら

練習問題はここまでです。お疲れ様でした!
「手計算が難しい!」「面倒くさい!!」と感じた方は、次の項目で紹介するような計算アプリ・計算ツールも活用してみて下さい。

計算アプリ・計算ツールも活用|時短・計算ミスの予防に

為替レートと”睨めっこ”しながらのトレードでは、電卓やExcelで計算していると時間がかかり過ぎてしまって、エントリーチャンス・決算チャンスを逃すこともあるでしょう。

計算アプリ・ツールを使って自動計算すると、時短になり、人為的な計算ミスへの予防にもなります

この記事では、初心者にもおすすめの計算アプリ・計算ツールを各1つ紹介します。

おすすめ計算アプリ:Forex 計算機

Forex 計算機
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FX取引関係のアプリには英語のみに対応しているものもある中、日本語での表記に対応しています。「FXを始めたばかりの初心者で、難しい用語がわからない」「英語の単語ばかりを並べられても困る…」という方は必見!

▼ 使用例

アプリの特徴

このアプリのメリットは、計算機で使用可能な通貨ペアが多数登録されていることです。メジャーな通貨ペア以外での取引を考えている方には特におすすめ。

アプリに搭載されている機能

主に使えるのは下記の6つの機能です。アプリ1つで複数の計算ができるのは便利ですね!

  • フィボナッチ・レベル
  • ピップ値
  • ピボット・ポイント
  • ポジション・サイズ
  • 必要マージン
  • ストップ・ロス/テイク・プロフィット

おすすめ計算ツール:ヒロセ通商「FX計算ツール」

▼ 利用はこちらから
ヒロセ通商|FX計算ツール(外部リンク)

▼ 使用例

FX業者「ヒロセ通商」が公開している計算ツールです。ブラウザ上で利用できます。

ロット数が「1ロット=1,000通貨」で表示されますので、それ以外の通貨数を利用している場合は「×10(1万通貨の場合)」「×100(10万通貨の場合)」で換算しましょう。

ツールの特徴

このツールのメリットは、FX初心者にもわかりやすいレイアウト・機能のシンプルさにあるといえるでしょう。中級者~上級者にはちょっと物足りないかもしれません。

ツールに搭載されている機能

ヒロセ通商のFX計算ツールでは、6つの計算に対応しています。

  • ロスカットの計算(ポジションなし)
  • ロスカットの計算(ポジションあり)
  • ロスカットされないロット数の計算
  • 最大ロット数の計算
  • レバレッジを効かせた時のロット数の計算
  • 損益計算

注意点

計算アプリ・計算ツールによって、「表示される1ロットあたりの通貨数」が固定されている場合があります。同じ「1ロット」でも通貨数が1,000なのか10,000なのかでは、実際の取引金額が変わってきてしまいますよね

1ロットの表示がどの通貨数を指しているのか、必ず確認しておきましょう


ロット計算の目的

ロット計算、とても面倒くさいですよね。
それでもなぜ、面倒な計算をあえて行うのか? それは「資産管理に役立つから」です。

特に、損益計算から逆算した適正なロット数の算出の目的は、損失額をコントロールして安定した資産管理を行うことにあります。あらかじめ損失許容額を固定することで【ロット数の方を調節し、PIPSの動きに惑わされないトレードをする】のが、ロット計算を活かしたトレードのポイント。

ただし、この資金管理方法を行ったからといって、必ずしも安定して利益が伸ばせるという保証はありません。FXはプロのトレーダーでも、トレードが上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。損益を繰り返しながら長期的にみていく必要があるのです。

では、ロット計算の目的を下記の3つに分けてさらに詳しく解説していきます。

  • トレードのリスクとリターンの調節
  • 1トレードで損失許容額に合わせてロットを調整
  • メンタルの維持

目的① トレードのリスクとリターンの調節を行う

1トレードあたりのリスク・リターンを一定額に調節することで、資金管理を安定させやすくなります

ロット数を固定・気分次第のロット数でのエントリーはPIPSに左右されやすい?

トレードの規模はその時々によって違います。PIPS変動が大きいこともあれば、小さいこともあるでしょう。

【違いの例】

  • ポジションを保有する時間の違い
  • メインで見る時間軸の違い
  • 通貨ペアによっては価格変動の大きさにも差がある(ボラティリティ)

    など

もし毎回、同じロット数や気分次第のロット数でエントリーしていると、利益や損失に大きなバラツキが生じることになります。これは、【その時々のPIPSによって、リスクとリターンが左右されている状態】です。

1ロットあたりのリスクのイメージ

「前回のトレードでは資金が大きく減ったけど、今回のトレードでは損失がマシだった……」など、トレードごとに損益の大きさが違うと予想を立てにくくなり、管理も難しくなりますね。

リスク・リターンをロットで調節する

一方、ロット数を調節することにより、レートが動いた結果で得た(あるいは失った)PIPSの大きさに関わらず、損益額自体は一定に保ちやすくなります。この方がはるかに管理が楽でしょう。

1ロットあたりのリスクのイメージ2
1ロットあたりのリスクのイメージ3

「小さなロット数でエントリーする=リスク・リターンも小さくなる」「大きなロット数でエントリーする=リスク・リターンも大きくなる」というFXの性質を、1トレードあたりのリスク・リターンの調節に利用するわけです。

リスク・リターンはロット数で調節していきましょう!

目的② 1トレードで損失許容額に合わせロットを調整する

トレーダーは「この位置までレートが逆行すれば損切」と、自分なりのラインを決めています。この損切が実行された時、「いくらの金額を失うのか」を自分でコントロールするのが、資金管理のためのロット計算です。

用語説明

逆行:自分の予想に反し、損失が出る方向に値動きすることです。

損切:損失が出ている状態だが、これ以上損失が膨らまないようにトレードを終了することです。

「トレードの条件なんて毎回違うのに、金額のコントロールなんてできるの?」と思いますよね。ここまで記事を読んできて下さった皆さんにはお判りでしょう……損失額はロット数で調節できるのです。

目的③ ギャンブル感覚を抑え、メンタルを維持しやすくなる

決済のタイミングを見極めるには、冷静な判断力が欠かせませんよね。「計算した数値でエントリー・資金管理している」という事実が自信になり、ギャンブル感覚を抑えてメンタルを維持しやすくなります。

冷静さを失うと起こりがちなデメリット・リスク
  • 早く利益確定し過ぎてしまう
  • 不必要に、エントリーと同じ額で決済する「建値撤退(建値決済)」をしてしまう
  • 決済タイミングを失い、損が出たままでポジションを保有し続けてしまう(塩漬け)

など

冷静さがあれば…
  • 自分の本来のパフォーマンスを発揮しやすくなる!
  • 決済するべきタイミングが判断しやすくなる!

ロット計算を活かした資産管理の2つの条件

資産管理にロット計算を活かすには「ナンピン、両建てをしないこと」「許容損失額の設定」が不可欠です。

1トレードで1ポジション、「ナンピン・両建てはしない」

資産に応じたロット数を決めたら、あとは最適なタイミングで1ポジションを持ちましょう。複数ポジションを持って損失をコントロールする別のテクニック「ナンピン」「両建て」を併用しないことをおすすめします。

用語説明

ナンピン(難平):為替相場が値下がりしている時に更にエントリーし、複数ポジション持つテクニック。「コストを平均的にすることで、損失を小さくする」のが主な目的とされます。

両建て:同じ通貨ペアで、同時に「売り」と「買い」のポジションを持つテクニック。「利益と損失で相殺することで、急な為替変動での大損を回避する」のが主な目的とされます。

1ポジションでエントリーする

「はじめから適正なロット数でエントリーすることで資金を管理」するのが、ロット計算を活かした資産管理のテクニックです。

損失のコントロールはロット数で行うので「1トレードにつき1ポジション」が基本です。とてもシンプルですよね。

ナンピン、両建ては、「資金管理がやりにくくなる」

複数ポジション張ることによって損失をコントロールしようとする【ナンピン】【両建て】のテクニックですが、毎回「今回はどのタイミングで、いくつポジションを張って、どんな利益が出た」と管理するのは大変です。

また、エントリータイミングがしっかり見極められていれば、ナンピンや両建ては本来使わなくても良いテクニックといえるでしょう。

1トレードで資金全体の何%を損失許容額にするかを決める

損失許容額に合わせてロット数を決定するので、まずは「許容額をいくらにするか」が決まらなければ計算が始まりません。

損失許容額の設定
  • 資金全体の%で決める
  • 固定額で決める

のうち、どちらの方法でもOKです。「1トレードあたり、いくらまでなら損失を許せるか」を決めておきましょう

自分に合わせた損失許容額の設定方法については、次の項目でさらに詳しく解説します。

自分にあった損失許容額の設定方法(資金管理)の見つけ方

資金・性格・手法・FXをする目的などによって、個人ごとに適した損失許容額は異なります。「複利」の利用や「自身のメンタル」、資金の2%を許容額にする「2%ルール」も目安に、自分に合った資金管理の方法を見つけて下さい。

【1ヵ月の目標利益】と【現在の損益比】を基に計算する方法もあります。

目標利益と損益比を基にした計算例

★ 1トレードのリスク予想額 = 1ヵ月の目標利益額 ÷ 損益比の期待値※ ÷ 1ヵ月のトレード数

※ 期待値:結果の平均値のことです。
【勝率×平均利益】 – 【負率×平均損失】で計算します。この記事では損益を比率に変えて期待値を計算しています。

個人に合わせた損失許容額の例

Aさん・Bさん・Cさんを例に挙げて、異なった投資目的・状況別に損失許容額の例をみてみましょう。

Aさん
  • 資金は200万円
  • 「元手をやりくりして、安定して収益を上げていきたい」

【損失許容額の例】

1トレード……30,000~40,000円程度

Bさん
  • 資金は800万円
  • 「資金には余裕がある。老後の蓄えに、少しずつ稼げればいいな……」

【損失許容額の例】

1トレード……10,000円程度

Cさん
  • 資金は10万円
  • 「少ない資金からのスタートだけど、そのうち大きな利益が欲しい!」

【損失許容額の例】

1トレード……2,000円程度

Aさんの場合

資金をある程度用意しているAさんの場合、2%ルールに則って損失許容額を決めると「40,000円」、1ヵ月の目標利益と損益比を元に計算すると「約28,736円」のリスクが算出できました。どちらもそこそこ近い数値ですね。

1トレード30,000~40,000円程度の損失を許容額に設定して、リスクに対して精神的に負担を感じるようであれば少し下げてみるといいでしょう。

Aさんの情報

「元手をやりくりして、安定して収益を上げていきたい」

  • 口座の資金:2,000,000円
  • 最終目標:年間300万円は稼ぎたい
  • 1ヵ月の目標利益:250,000円
  • 今の勝率:55%
  • 1ヵ月の平均トレード回数:15回
  • 平均利益:28,000円/回
  • 平均損失:15,000円/回
計算式

Bさんの場合

資金に余裕があるBさんの場合、2%ルールに則って損失許容額を決めると「160,000円」になってしまい、目標に対してリスクが大きくなってしまいます。

一方、1ヵ月の目標利益と損益比を元に計算すると「約9,269円」のリスクが算出できました。

長期的な戦略を立てているCさんは「少しずつ稼げればいい」ということなので、リスクを冒して無理に利益を追う必要がありません。1トレード10,000円程度の損失を許容額に設定して、少な目のロット数で少しずつコツコツと利益を重ねる方が確実といえそうです。

Bさんの情報

「資金には余裕がある。老後の蓄えに、少しずつ稼げればいいな……」

  • 口座の資金:8,000,000円
  • 最終目標:15年後には資産が2倍になっていること
  • 1ヵ月の目標利益:50,000円
  • 今の勝率:60%
  • 1ヵ月の平均トレード回数:10回
  • 平均利益:11,000円/回
  • 平均損失:7,000円/回
計算式

Cさんの場合

少なめの資金で将来に夢を持つCさんの場合、1ヵ月の目標利益と損益比を元に計算すると損失許容額が「約71,795円」になってしまい、資金に対してリスクがとても大きすぎます。

一方、2%ルールを元に計算すると「2,000円」のリスクが算出できました。

Cさんは元手と最終目標の差額が大きいので、ある程度はリスクを冒して利益を追うことも、いずれ視野に入れる必要があるかもしれませんね。まずは1ヵ月の目標利益を下げるか、2%ルールの1トレード2,000円程度の損失を許容額に設定して、勝率が挙がる手法を身につけると良さそうです。

Cさんの情報

「少ない資金からのスタートだけど、そのうち大きな利益が欲しい!」

  • 口座の資金:100,000円
  • 最終目標:早期に資産を50倍にすること(10万→500万)
  • 1ヵ月の目標利益:420,000円
  • 今の勝率:50%
  • 1ヵ月の平均トレード回数:15回
  • 平均利益:32,000円/回
  • 平均損失:18,000円/回
計算式

複利を利用するか、しないか?

「複利」とは、FXで得た利益のことです。この利益を資金に加え、投資額をさらに大きくしていくことを「複利運用」と呼びます。

運用方法の違い

複利の運用には、下記のような違いがあります。

  • 複利を利用する……資金効率が向上するが、リスクも大きくなる
  • 複利を利用しない…資金効率は向上しないが、リスクもそのまま

主な違いは「元手を大きくするかどうか」です
複利を利用することで資金効率が上がると利益も大きくなりますが、投資額が大きくなる分、万一の時の損失額も大きくなりがちです。

一方、複利を利用しなければ資金効率は変わりませんので、スローペースで小さい損益を積み重ねることになるでしょう。

複利を利用しないことをお勧めできる人

【複利を利用しない】ことをお勧めするのは、「もともと資金に余裕がある人」「大きな利益を目標としていない人」です。

小さな利益を積み重ねるだけで目標を達成できそうであれば、あえてリスクを取らなくても良いのではないでしょうか。

自身のメンタルを反映する

自分がベストなパフォーマンスを発揮できるように、精神的な負担もみておきましょう。損失許容額を決めたら、自身の性格上、その金額がもとでトレードに影響が出ないか予想してみて下さい。

たとえば、上述で例に挙げたCさんの場合。少ない元手に対してリスクが大きいと、ギャンブルをしている感覚に陥ってしまい、冷静な判断力を失ってしまう可能性があります。

メンタルに合った金額設定にしておかないと、「もっと利益が出るはずだ」と粘り過ぎて決済のタイミングを逃してしまったり、逆にもっと利益が出るかもしれないのに損失額が怖くなって早めに決済してしまったり……と、満足なトレードを行えなくなってしまいかねないのです。

もしトレードを繰り返して「やっぱり、ちょっと怖いな……」などと感じる場合は、損失許容額を見直す機会といえます。

2%ルールも1つの目安に

「2%ルール(3%ルールとも)」とは、1回のトレードでの許容損失額を【資金(=FX口座資産残高)の2%】に設定する資金管理法です。

2%ルールの根拠

2%ルールが有効と言われる理由として、

  • レバレッジを活かしやすいから
  • 損失額を一定にして資金管理しやすいから
  • 通貨ペアの違いに左右されにくいから
  • 破産しにくいから

などのメリットが挙げられていることが多いです。いずれも、「損失許容額を固定すること」「資金に対して少ない金額であること」がポイントです。

いわゆる「2%ルール」には曖昧な部分がある

そもそも、「2%ルール」には曖昧なところがあります。多くのサイト・YouTubeなどでもこの手法が取り上げられていますが、「何に対して、どのタイミングでの2%なのか」が明確に語られていない場合も少なくないのです。

  • 1日の損益額を指すのか、1ヵ月のトータルの損益額なのか
  • 複数ポジションを総合したトータルの損益額か、それとも内1ポジションに対してなのか
  • 資金の2%を失った時点でFXから撤退するべきという意味なのか

    など

また、「2%」という具体的な数字の根拠については不確かなようです。「状況に合わせて1%~5%に」と勧めているサイトもちらほらと見かけますので、2%にこだわる必要はないといえるでしょう。

「2%ルール」はあくまで1つの参考として捉えるくらいがおすすめです。

まとめ

ロット計算から導き出した答えをFX取引に活かすことで、損失額をコントロールし、資産管理をしながら自分が目指す成果を冷静に狙いやすくなります。

特に、損益計算とセットになったロット数の算出は重要です。手間を省いて自動計算できるアプリ・ツールも状況に合わせて使っていきましょう。

損益額に対する適正なロット数

【計算式】
ロット数=損益額 ×10万÷1ロットあたりの通貨数 ÷ PIPS幅(値幅)÷ 通貨ごとに変動する数値

【計算の目的】

  • トレードのリスクとリターンの調節のため
  • 1トレードで損失許容額に合わせてロットを調整するため
  • メンタルの維持のため

ロット計算をマスターして、ワンランク上のトレーディングを目指したいですね! 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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