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Void #17, acrylic on panel, 175x80x3.5cm, 2017

「無/(分節)」
菊池遼個展
2017年3月31日 (金) - 4月2日 (日)
Frantic Gallery、東京

オープニングレセプション:2017年31日(金)17:30~19:30
 

 物は輪郭線に存在しています。他のものと区別する線であり、分節や対立や差異を知らない背景にある無区別の一体性から前面にものを持って行く線に存在しています。われわれが知覚するもの(すでに概念になってしまっている形)は自己の場であらかじめマークされた視野を構造化する言語によって構築されています。統一されているこの無への一瞥は仏教の「無」またはラカンの精神分析の「現実界」に再出現し、瞑想または哲学的洞察あるいは詩的高揚の中で探検されています。菊池遼は現実の節に関わりながら前提をシフトさせ、知覚の識別性を振って無分節の想像不可能な形而上的背景を指し示すという目的に向かっています。
 「無/(分節)」という展覧会で発表される三つのシリーズの作品(「Umbilical」、「Void」、「Idea」)は「一」は「幾つか」になり、「存在」は「消滅」に変わり、輪郭は形を提示してその後背景に溶けるという視覚の変動を生成します。それは世界の仮想性を体験するよう誘います。武道またはカタへ働きにかけ無形を得る他の修行にとっての本来的な表現を使えば、「水をコップに入れれば水はコップになり、水をボトルに入れれば水はボトルになる」ということです。若いアーティストが拓く美術の道の始まりにおける最初の個展は、実体を現象へ、本質を改変する差異へと読み替えていきながら盲目的な「無分節」の照明効果へパサージュを開こうとする菊池の試みの発表になります。

 
Umbilicalはそれ自身をセットとして見る者に渡します。作品は壁に付けられた二つの台形の木材パネルと中に配置された一つの円環から構成されています。そして形は変遷し、見ているうちに二つの短縮する面の間に浮かんでいる球が見えてきます。しかし、知覚をシフトし中心にあるへその緒状の線を左から右へまたは右から左へと滑らせると、パーツを「ただの一つ」に持って行くことができます。近づきながら円環の中心にある鏡に反射する自分の目を見付け、この統一の無分節の中に引き込まれます。「Umbilical 2」は遠近法と似たような方法で遊び二つに分かれ始めた細胞を提示するのですが、作品の放射する線の求心運動に自己が引き込まれることを許容するとその細胞は統一へ向けて逆の動きをとります。
Umbilical, acrylic on wooden panel, 90x155x2.1cm, 2015
Umbilical #2, acrylic on wooden panel, 89.5×193.5×3.7cm, 2016
また「Void」シリーズが提示するのはぼやけた風景あるいは対象です。しかしそこでは、対象は近づいて見ることを求めながらも鑑賞者が作品に近づいていくと多数のドットの列へと「消えて」しまい、はっきりとした視覚を得られる距離への可能性を完全に排除し、イメージの枠組みを破壊します。この形をとるために快適な場所は存在しません。それは見るものにとっては近すぎ、または遠すぎ、再出現と消滅、概念と似たようなドットのメカニカルな反復の間に変動するイメージです。
Void #9, acrylic on panel, 80x80x2.4cm, 2016
Void # 11, acrylic on panel, 45x37cm, 2016
「Idea」はわれわれを先史時代の絵画を保存する洞窟へと、遥か4万年を隔てた人間が世界に輪郭線を与え、彼らが現実を知覚する方法を印し、残した場所へと連れて行きます。洞窟は文化的かつ言語的な、想像不可能な領域の中の主体の輪郭を展示しています。それを見る時に、われわれは自分たちの現代の知性でその壁にある線をどういう風につかむのでしょうか?菊池は洞窟の「分節‐形」をとりあげて自己参考的な行為でその形を掛け合わせ、形而下の事物を規定している形而上学的輪郭の表現を試みます。
Idea #5(Chauvet), acrylic on panel, 89×89×3cm 2017
Idea #4(Chauvet), acrylic on panel, 180×430×3.5cm, 2017
Frantic Gallery
Ikejiri Institute of Design 309C,
2-4-5 Ikejiri, Setagaya,
Tokyo, Japan 154-0001


 
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